よく、「野球はツーアウトから」と言われていますが、これは単なることわざではありません。過去のデータでは、敗戦濃厚の9回裏ツーアウト、ランナーなしの状況から大量点を取り、大逆転劇を演じた試合は、いくつもあります。大量リードしている側は、勝利を確信して、すっかり気持ちが緩み、1点2点取られても余裕の態度である一方、最後まであきらめない相手チームは、必死に食らいついていきます。
まだまだ大丈夫と思っているうちに、次々と追加点が入った頃には、一旦緩んだ空気を取り戻すのは難しく、リズムが作れないまま、さらに追加点が入ります。これではいかんとピッチャーを交代させようとブルペンに目を向けると、余裕の勝利を確信して誰もウォーミングアップをしていないため、緊急にウォーミングアップを開始するが、心身ともに準備ができていないピッチャーは、コントロールが定まらずに打ち込まれ、大逆転を喫します。
このように、リードしているチームの油断と準備不足、追い込まれても最後まであきらめない相手チームと言った、いくつかの要因が重なったとき、ツーアウトからの大逆転が展開されることがあります。そして、その1勝が、シーズン終盤には大きく響いてくる可能性もあることから、少しでも可能性がある限り、最後の最後まであきらめないのが、野球の基本です。